自転車の愉悦 

自転車通勤を始めた。1ヶ月前からだ。


始まりは少々優柔不断だった。自転車通勤してみたい、と思ったものの、長続きするかどうか不安だった。ネットで情報収集すると、クロスサイクルというたぐいの自転車が通勤用にはいいということがわかり、それを自転車屋で物色。結構高い。買って、使わなくなったらどうしよう、とか、うじうじ考えること1ヶ月。妻に背中を押されて3万円ちょっとの、クロスサイクルとしては比較的安価な、しかし、信頼できそうな自転車屋さんに勧められた7段変速の自転車を購入。頑丈そうな鍵とライトを別途購入して、しめて3.8万円。


自転車を買うなんて、子どものとき以来だ。なんだかうれしくなって近所を走ってみる。快適。よし、この調子で通勤しよう。


翌日からさっそく通勤に使ってみた。

あらかじめこの道が最短だろうと調べておいた道を走る。少々重たいリュックを背負って通勤しているが、それも自転車操作にはそう影響ない。信号に止められながら、しかし、すいすい走る。わずか20分あまりで職場に着いた。


あれ。自宅から職場までは、これまで地下鉄を乗り継いで、ドア・ツー・ドアで35分程度だった。なんだ、自転車の方が早いんじゃないか(要は、地下鉄を使うと少々遠回りになっているということ)。それほどの疲れもない。思いリュックを背負って駅まで歩く方がよほど疲れるような。健康のため、と始めた自転車通勤だが、あまり健康のためにはならないかもしれない。


それでも自転車通勤は心地よい。人力ですいすい進む快楽(ホント、自転車はよくできた器械だ)。地下鉄と違って、景色を見ながら走る快楽。へえ、こんなお店があったのか、と思いながら走る驚き。


1週間のうち、1~2回でも走ればいいや、と思っていたが、あにはからんや、雨の日を除いて、毎日自転車通勤は続いている。