「科学技術コミュニケーター」

科学技術コミュニケーター養成ユニットというものが職場の北海道大学で昨年から始まっている。科学技術コミュニケーター養成ユニットとは、そのホームページによれば、「科学技術コミュニケーター――科学技術の専門家と一般市民との間で,科学技術をめぐる社会的諸課題について双方向的なコミュニケーションを確立し,国民各層に科学技術の社会的重要さ,それを学ぶことの意義や楽しさを効果的に伝達することができる人材――を養成するための教育組織」だ(文部科学省の「科学技術振興調整費・新興分野人材養成プログラム」の一環)。昨年一期生が修了し、現在二期生の受講が始まっている。


私は直接関係していないのだが、今日、1回だけ「科学技術と市民参加」という講義をさせてもらった。


20代、30代を中心に、いろいろな年齢層、いろいろなバックグラウンドに人が集まっている。科学技術を学ぶのではなく、科学技術についてどういう科学と市民との間、市民と市民との間のコミュニケーションがどうとれるかを実践的に学んでいる。講義とともに、コミュニティFMでラジオ番組をもったり、Webページを作ったりといった実践的なとりくみがなされている。


単位はない。修了したからと言って何か資格が与えられるわけではない。しかし、人が集まっている。定員をオーバーしたので、選考して人数が絞られたらしい。みな、キャリアアップのために来ているわけではない。


あれ、これこそ「大学」ではないか。