素人の僕がXOOPSというものを使ってみる

ホームページを立ち上げたのは、たぶん日本の文系研究者の中では相当早いほうだったと思う。1994年に赴任した福井県立大学が、新しい大学で、コンピュータ・ネットワーク環境に熱心だったこともあり、僕はWindowsパソコン(当時はたしかWindows 95)にwebサーバソフトを入れて、webサイトを立ち上げてみた。当時大学に職を得て、授業をあれこれ自分なりに工夫していたので、その内容をコンテンツとして入れてみた。さらに、福井県なので、原発問題にかんするページを立ち上げてみたりした。


Windowsでwebサイトを立ち上げるというのは、今でも少数派だが、もちろん当時もあまりなく、外国のサイトを参考にしながらZBServerというサーバソフトを見つけ、それをインストールしたら、あっさり立ち上がって、なんだぁ、と思ったのを思い出す。外国の研究機関などでWWW(って言い方もしなくなったなあ)が盛んになっていたころで、まだWWWでないネットの形式である「gopher」なんてのも盛んだったころだ(懐かしい)。


それ以降、思い出したようにホームページはいじってきたが、正直、ホームページを頻繁に更新するということはなかった。1年に1回とか半年に1回とか、大幅に更新する、というのがやり方になった。せいぜいトップページの写真を入れ替えるくらいだった。ホームページを立ち上げる、という友人・知人に、当時僕は、「立ち上げるのは簡単だけど、更新するのはたいへんだよ」と語っていた。


そのうち、世間では、ブログが登場した。僕は正直ブログというものにあまり新しい可能性を感じなかった。だから、ブログには完全に乗り遅れ、2005年になって、ようやくBIGLOBEでブログを始めた。


「新しい可能性」という点で言えば、むしろ驚いたのは、さっぽろ自由学校「遊」のホームページを全面リニューアルするときに、「遊」のボランティア・スタッフでもあるTさんが、XOOPSというものを使ってリニューアルしたことだっだ。できあがった「遊」の新しいページは、これまでの静的なページとはまるっきり違って、“動いている”ページだった。情報は簡単に更新でき、しかもブログみたいに、外から簡単にいじれる。


そんなページは、プロが特殊な技術を使って、僕らには分からないプログラムやなんやらを組んでやっているものだと思っていた。それが「XOOPS」というものを使って、比較的簡単に作れる、ということをTさんに教えてもらったとき、僕は俄然興味を持った。


ただそのときの僕は、XOOPSがMy SQLというデータベースやPHPというものを使うと聞いて、やっぱり素人の僕には無理だな、そもそもLinuxを立ち上げなければならないというのがやっかいだなあと思っていた。Linuxがサーバとして優れている、ということはわかるのだが、僕にとって敷居は高いし、立ち上げるまでは何とかできそうだとしても、セキュリティの管理が自分にできるか大いに不安があった。


そうしたら、WindowsでもMy SQL、PHPは簡単に導入できる、ということがそのうちにわかった。XAMPPという、webサーバ(Apache)、MySQL、PHPを統合的にインストールできるセットが配布されているということを知ったのだ(XAMPPのインストールに関しては、ここを参照)。


さっそくノートパソコンにXAMPPをインストールし、XOOPSを入れてみた。ローカルで動かすXOOPSである。XOOPSはあっさり起ち上がった。おお。参考書を2冊ほど買い(『カスタマイジング・ズープス』はホントに役に立った)、たくさん立ち上げられているXOOPS関連のページを参考にしながら、いろいろ「モジュール」を導入し、XOOPSを組み立てていった。ここへ来て、僕は、XOOPSはプラモデルである、ということに気がつく。「モジュール」というパーツ、「テーマ」というパーツを、あちこちから拾ってきて、自分が作りたいページのイメージを固めていき、組み立てていく。細かい修正(たとえばある部分のフォントの大きさを微妙に変えるとか)は、どうしても「モジュール」や「テーマ」の中身をいじる必要があるが、それもおもしろい。どうしても思い通りにならなかったものが、ふとしたやり方で思い通りになるというときの喜び。


これまのホームページにhtmlで書いていたページを移行させるには、TinyDというモジュールがたいへん役に立つということがわかった。TinyDを使えば、これまでのファイルをそのまま使って、XOOPSの中に取り込める。BIGLOBEに置いていたブログの中身も、手作業だったが、XOOPSの方に移行させた。自分のホームページをすべて“統合”させるためである。


ノートパソコンでだいたい成功したあと、職場で前から必要としていたWindowsのサーバを自分の部屋で立ち上げ、それにノートパソコンから、XAMPPとXOOPSを移行(正確には、単に移動させたのではないけど、そこは省略)。いくつかの細かい難点を乗り越えて、ようやく他人に見せられるページが立ち上がった。今みなさんに見ていただいているこのページがそれです。


(後記2015/11/15: このブログは、本ページをJimdoで構築する前のXOOPS時代のものです)