捨てられないOHP 

本日講義終了――。今日のゼミは、最後の日にやることでもないかもしれないが、質的なデータからコーディングするという練習をやってみた。その内容はともかく、そうやって学生に作業をしてもらってそれをあとで発表する、というとき、OHPを使う。


OHP――。昔はよく使ったものだ。


ソフトとしてのPowerPointは一般的になったけれどまだプロジェクタが一般的でない、というころ、僕はPowerPointをOHPに印刷して、それを使うということを長くやっていた。白黒なら大きな問題がないが、カラープリンタだと、インクジェットに対応しているOHPが1枚100円くらいして、涙を呑んだものだ。


そんな昔話はいいとして、これだけ液晶プロジェクタ(ないしDLPプロジェクタ)全盛になっても、OHPプロジェクタも捨てられない。今日のように学生の成果物を大画面で写そうとするとき、液晶プロジェクタだと資料提示装置(OHC)が必要になってくる(最初から教室に設置されているようなところならいいが)。あるいは、デジカメでとって、それをPCに入れてプロジェクタに写す、という裏技もあるが(あるいはデジカメと液晶プロジェクタを直接つなぐことが可能な組み合わせもあるが)、めんどうくさい。また、液晶プロジェクタは、PowerPointや写真なら、きれいに写るが、学生が紙に書いたものなどは、写りが悪い。


やはりOHPの出番なのだ。学生の成果物をOHP用紙にコピーして写す。OHPだと、光学的に写しているだけなので、細部まではっきり写る。OHPは便利だ。しかし、そんなに頻繁に使うものでもない。しかもマーケットはどんどん縮小してきているし、もともと安い代物でもないので、新しいものに買い換えをしようということにはなりにくい。必然的に古い(たいてい重たい)OHPを使いつづける、というジレンマに陥る。


それでも、たまにこうやってOHPを使うと、光学的な画像の美しさにハッとする。もう数年使ったことのないスライドプロジェクタなんてものも久しぶりに使ってみるか。