シアトル市民活動視察 第2日目

シアトル視察2日目。午前中はSeattle Tilth(http://seattletilth.org/)という農業についての市民教育に取り組むNPOを訪問。カトリック教会が運営していた歴史的建造物の中に、NPOや各種民間業者が入っていて、その一角にこのNPOもある。建物の周辺を実験的な畑にしていて、子供から大人までの農業にかかわる多彩な教育に取り組んでいる。1回の講座や連続講座、ワークショップを年間を通じて繰り広げている。フルタイムのスタッフは16名という大きなNPOである。その財源の多くは講座収入だという。1974年、「小さな地球のための農業」というタイトルのシンポジウムをきっかけにSeattle Tilthは生まれた。(その歴史や活動内容はhttp://seattletilth.org/に詳しい)


ワシントン大学近くのFarmer’s Marketを訪問。毎週土曜日に開かれるという。Seattle中のどこの地域でもこうしたFarmer’s Marketが開かれている。野菜、果物、加工食品(パン、ジャム、蜂蜜など)加え、花もあり、音楽演奏もあり、楽しめる。


午後は、南シアトル地域のSustainable South Seattle(http://columbiacitizens.net/sss:welcome)という、こちらは小さな手弁当のグループを訪問。事務所も持っていないので、喫茶店でインタビュー。6人の中心メンバー(それぞれ専門分野をもつ)で運営しているこの小さなグループは、低炭素で持続可能な地域を作っていくための啓発的なワークショップを開きつつ、今後事業としても自転車の共有、環境に優しい商品を扱う店の開設、地域の有機農産物が得られるための農園の開設などを計画している。さらに公共交通のことにも取り組もうとしている。南シアトル地域は、シアトルの中でも多文化な地域で言語的にも多様性をもっており、ワークショップなどの宣伝もできるかぎりいくつかの言葉(ベトナム語、カンボジア語、中国語、フィリピノ語など。ソマリアの言葉も)に訳すという。こういう地域の小さなグループがシアトル中に数十あって、それらが集まってSCALLOPS(Sustainable Communities ALL Over Puget Sound[プージット湾持続可能な地域たち])(http://scallops.ning.com/)を形成している。このSCALLOP全体でNPO法人格をとり、各グループが動きやすくする予定だという。