新妻昭夫さんの「ガーデニング」への関心

亡くなった新妻昭夫さんの最後の本『進化論の時代』を購入。あとがきを読んでいると、なぜ新妻さんが近年「ガーデニング」に関心を持つようになったのかが書かれている。


私がこれまでダーウィン(とウォーレス)の進化論を中心にして見てきたのは、彼(ら)のなした仕事のうち、新たな時代と学問分野を切り拓き、社会を突き動かした男性的な側面であった。しかし二人ともにガーデニング趣味や裏庭での観察といった女性的な側面を色濃くあわせ持っていた。(中略)

私は1960年代後半から70年前後という激動の時代に自然環境に目を開かれ、学生時代の大型野生動物の観察からはじめて何度か方向転換をかさね、そしてウォーレスとダーウィンの研究にいたった。これからしばらくの研究は、ダーウィンのもつ自然環境への女性的なまなざしに私自身の視線を重ね、あらためてダーウィンの残した仕事を読み直す作業からはじめることになるだろう。


そうだったのか。何年か前に研究会で新妻さんに「ガーデニング」の話をしてもらったが、そこまでは思いが至らなかった。


新妻さんはすでにガーデニングについての論考をいくつも書いている。それらをもう一度読み直し、新妻さんが何をやりたかったのか、何を考えたかったのか、少し追いかけてみたい。