ドイツ再生可能エネルギー視察の旅(5)

昨日9月14日は、エアハルト・シュルツ(Erhard Schulz)さんの案内で、フライブルクのあちこちをめぐった(本日のメンバーは、丸山康司(名大)、尾形清一(名大)、本巣芽美(東大)、西城戸誠(法政)、山本信次(岩手大学)、青木聡子(名大)、古屋将太(ISEP)、宮内)。


エアハルトさんは、1970年代のヴィール村の原発反対運動にかかわった闘士で(ヴィールの原発計画はストップ)、現在はイノベーション・アカデミー(http://www.innovation-academy.de/)という環境にかかわるエクスカーションやセミナーなどを行う非営利団体をやっている。私たちもそこに委託する形でツアーを組んでもらった。


最初に訪れたのはフライブルク市のグリーンシティ局のスザンヌ・ヴィエンネケさん。旧市街の旧い市庁舎の中でお話をうかがった。フライブルクが環境都市として、再生可能エネルギー、環境関係の産業支援、サステナブルな交通(市電、自転車)などに取り組んでいる様子を全般的にうかがう。産業支援については、フライブクルク・グリーンシティ・クラスターオフォスおよびというものを設けている。スザンヌさんも70年代の反原発運動がフライブルクでの取り組みの一つの源流だ、と。


次に訪れたのは、GLS銀行(http://www.gls.de/)のフライブルク支店。この銀行はシュタイナー学校の流れでできていて、環境や社会系の事業に融資する。現在13,000人の預金者がいる。利子などは他の銀行とだいたい同じ。預金者向けの広報誌には必ずどこにどれだけ融資したかが書かれていて、「この透明性が大事です」と支店長のアネット・ボーランドさん。「融資先が環境保全的かどうかなどはどう判断するのですか?」という質問には、「それはいい質問です。環境保護団体などの専門家にそこは調べてもらいます。たとえばバイオガス・エネルギーでも、食料を使ったものについては、融資をしていません。そのあたりは議論をすることが大事です」。GLS銀行はこうした通常の融資の他に、自ら太陽光発電のプロジェクトを起こし、それについて“リスクはあるけれども通常の預金よりもハイリターン”というものも用意している。「ドイツは現在経済状況が良くなく、人々は将来への不安をもっている。そういう中で再生可能エネルギーは将来性があるということで投資したい人は多い」。


3番目に訪れたのはエコシュトローム社(http://www.oekostrom-freiburg.de/)。風力発電30基を手がける会社。社長のマルコウスキーさんはもともと銀行に勤めていたが、1986年小水力発電を買うところ個からこの事業が始まり、「趣味が高じてこんな会社を経営することになった」。現在、多くの自治体、市民、団体、会社と連係して(そのリストは http://bit.ly/R7Ryap )、数多くの風力発電や太陽光発電の開発事業を手がけている。銀行から借りるのと、地元から出資を募るのとの両方を組み合わせて風車を作っている。(あとでエコシュトローム社が手がけた風車の一つを訪れた。フライブルク近郊の山の上。1.8MWの大きな風車(Enercon製)だった)


それにしても、フライブルクの町は、郊外も含めて、現在これでもかというくらいに建物・住宅の上に太陽光パネルを張りまくっている。若干景観上の問題がありそうな気もするが、数十年もすれば、これがフライブルクの景観として落ち着くだろうか。


(以上の記述、急いでまとめたものなので、若干の事実誤認などがあるかもしれません)