ドイツ再生可能エネルギー視察の旅(7)

ベルリンの一角に事務所を構える協同組合「ベルリン市民エネルギー(Bürger Energie Berlin)」を訪問した。


この協同組合、実に野心的でおもしろく、ドイツ国内でも注目されている。訪れた僕らを歓迎してくれたのは、代表人物ペーター・マスロッホさんとその仲間3名。みんなボランティアだ。事務所は旧東ベルリン地区にあり、もともと化学工場があったところが、社会的企業などさまざまな団体が集まる集合住宅になっている。


マスロッホさん、「「発電を市民が」から「送電を市民が」の段階に入っている。シェーナウ村がその先駆だった。私たちの協同組合は2011年12月に設立。目的は、ベルリンの配電網の営業許可を勝ち取ること」


現在ベルリンの配電網を運営しているは、スウェーデンの大手電力会社ヴァッテンファル。しかしその契約は来年2014年に切れる。その先は営業許可をめぐる入札によって決まる。


「入札は政治的に決まる。私たちの協同組合は現在次の契約を勝ち取るためにお金を集めている」。集めたお金はGLS銀行(社会的企業への融資をする銀行)の子会社であるGLS信託に預け、営業許可を勝ち取るまではそれに手を付けない形をとっている。もし勝ち取れなければそれらのお金は返還される。


同時に州議会への働きかけなど、さまざまな政治的な動きをするつもりだ。


「私たちとは別に「ベルリン・エネルギー・テーブル」という会があり、そこはベルリンの配電網の営業許可をベルリン州が買い取ることを求めている。私たちとしては、第1の目標は私たち自身が配電網を買い取ること。次善の策としてベルリン州が買い取ることだと考えている。ベルリン州が買い取るための住民投票も考えている。ベルリン州が買い取る場合は、私たちとしてもその一部を出し、その経営に参加したいと考えている」


ベルリン市民エネルギーの目的は再生可能エネルギーそのものというより、経済の民主主義化だ。マスロッホさん、「私たちの活動の目的は3つある。一つは経済を地域に戻すこと、二つ目は民主主義。だから私たちのグループは、出した金額にかかわらず1人1票である協同組合という形を選んだ。最後にすべててのイッシューを政治化すること(来年総選挙であり、送電線の民主主義化について争点にしたい)。私たちの試みがもし失敗しても、これはパイオニアとして他地域に波及するはずだ」。


本気である。


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ベルリン市民エネルギー(Bürger Energie Berlin):

http://www.buerger-energie-berlin.de/

グーグル翻訳による英語: http://bit.ly/Pr08TA


ベルリン市民エネルギーをとりあげたページ:http://midori1kwh.de/2012/07/16/2114(日本語)

http://bit.ly/S7BoDv (英語)

http://bit.ly/QmjpV3 (英語)


(以上の記述、急いでまとめたものなので、若干の事実誤認などがあるかもしれません)